ニュージーランド国立図書館(以下、NLNZ)は1999年よりウェブアーカイブを行っています。
ニュージーランドやニュージーランド人についての、また太平洋諸島に関連するウェブサイトを収集しています。1999年の開始当初から選択収集を中心に行っていましたが、事業の推進にともない収集量が大幅に増加したため、収集を安定的に持続するためのツールが必要になりました。そのため、2006年に英国図書館と協力して収集・組織化業務を管理するソフトウェア Web Curator Tool (WCT) の開発を行いました。WCTは収集のスケジュール等のコントロールがしやすく、技術者でない人にも扱いやすいという特徴があります。
選択収集により、図書館のコレクションに加えるべきウェブサイトをスタッフが選んで集めてきましたが、それだけではニュージーランドに関する文化的・社会的・歴史的なウェブサイトを網羅的に収集することはできませんでした。そこで、納本制度によるウェブサイトの収集を可能にするため、2003年の「国立図書館法」改正 および、2006年「電子的ドキュメントの納入に関する規程」の告示 が行われました。これを受け、NLNZはインターネットアーカイブに委託し初めてバルク収集を行い、「.nz」ドメインで公開されているか、ニュージーランド国内から発信されているウェブサイトを網羅的に収集しました。その後、2010年、2013年にも実施し、2015年以降は毎年、バルク収集を行なっています。
年 | URL数 | 容量 |
---|---|---|
2008 | 1億500万 | 4.1 TB |
2010 | 1億3000万 | 8 TB |
2013 | 1億5000万 | 12.6 TB |
2015 | 2億 | 15 TB |
※NLNZのバルク収集について解説しているWhole of domain web harvestの情報をもとに作成。
これまで収集されておらず、NLNZに収集してほしいウェブサイトがあれば、以下のページからノミネートすることができます。
収集したウェブサイトは、NLNZのコレクションを統合的に検索できるオンラインカタログを通じて閲覧することができます。ただし、対象は選択収集したウェブサイトのみで、バルク収集したウェブサイトは現時点では検索・閲覧することはできません。
試しに、検索窓に「all blacks」(ラグビーニュージーランド代表の愛称です)と入力して検索してみましょう。
検索結果が表示されました。画面右側に示されている項目を選択することで、フィルタリングすることができます。「Resource Type」のうちの「Web Sites」をクリックすると、ウェブサイトの検索結果のみが表示されます。
閲覧したいウェブサイトのタイトル、またはその下に表示されている「Online access」のリンクをクリックします。
収集日の一覧が表示されます。見たい日付の「National Digital Heritage Archive」のリンクをクリックすると保存されているウェブサイトを閲覧できます。
検索によるほか、選挙や地震といったテーマごとに設けられたコレクションページからも、保存されたウェブサイトを閲覧することができます。
(最終更新日:2018/11/9)