2011年3月11日に東日本大震災が発生してから今月で10年が経ちます。今月は、この10年間に国立国会図書館インターネット資料収集保存事業(WARP)が保存してきた東日本大震災に関するウェブサイトをご紹介します。
2011年3月11日14時46分に東北沖を震源とする大規模な地震が発生しました。国内観測史上最大のマグニチュード9.0の振動がもたらした大きな揺れにより、東日本広域にわたって被害が発生しただけでなく、地震によって発生した未曾有の大津波が沿岸地域を襲い、壊滅的な被害に見舞われた地域も多くありました。
WARPでは、震災発生3日後の2011年3月14日から、国の機関や被災自治体など関連ウェブサイトを緊急に収集し、その後も頻度を高めて収集するなど、被災状況の記録の保存に努めました。
※震災発生直後に保存したウェブサイトについては、2013年3月の特集でも紹介しています。
2011年3月中には、インターネットアーカイブの「Japan Earthquake」や、ハーバード大学ライシャワー研究所の「日本災害DIGITALアーカイブ(JDA)」など海外のアーカイブ機関による震災情報保存の取組みへの協力を開始しました。
また国立国会図書館としては、様々な機関が持つ震災情報の共同アーカイブ構築を総務省などと連携して進め、2013年3月に東日本大震災の記録等のポータルサイト「国立国会図書館東日本大震災アーカイブ(ひなぎく)」を公開しました。
東日本大震災の被害は地震や津波によるものに止まらず、福島第一原子力発電所事故が発生したことで被害が拡大し、多くの周辺住民が避難を余儀なくされたほか、放射性物質の拡散による影響は広範囲に及びました。福島県では現在も帰還できない区域が残され、廃炉作業も道半ばとなっています。
WARPでは、原発事故を受けて設置された原子力規制委員会や東京電力福島原子力発電所事故調査委員会(国会事故調)など、様々な原発事故関連ウェブサイトを保存しています。
被災者に対する支援や被災地の復興のために、公・民を問わず様々な主体による多くの取組みが行われてきました。WARPではそれらのウェブサイトの保存も行っています。
※支援活動を行う民間団体ウェブサイトについては、2015年3月の特集でも紹介しています。
国内で発生した大規模災害の記録を収集することは、WARPの大きな役割の一つです。WARPでは今後も、災害の記録を後世へと伝えるべくウェブサイトの保存を進めていきます。
<他の災害等に関する特集記事>
►2020年5月特集「新型コロナウイルス感染症」
►2019年9月特集「災害・防災」
►2018年9月特集「被災自治体ウェブサイト」
►2017年4月特集「熊本地震」